形成外科外来(乳房再建手術)
乳房再建術とは、乳がんの手術により切除された乳房をもう一度取り戻す手術方法です。乳房再建術は、自家組織移植法(自分の他の部分の組織を移植する方法)と人工乳房を使った手術が一般的です。当院では主に人工乳房を使った手術を行っています。
乳房再建術は乳がんの乳房切除術に引き続き行われ、外見を整えるという観点で行われます。しかし、乳がんそのものの治療方針との兼ね合いから選択する必要があります。乳房切除術を受ける乳がん患者さんは国内で年間約2万人にのぼり、これらの患者さんに乳房再建術が考慮されますが、患者さん個々の病態や放射線治療、薬物療法との併用などの状態によってはお勧めできないことがありますので、乳がんの治療全体の中での選択について主治医とよく相談する必要があります。
人工乳房を用いた乳房再建術の流れ
皮膚拡張器(組織拡張器)による皮膚の拡張
乳房切除を行なった場合、人工乳房(シリコンインプラント)が入れられるように皮膚を伸ばす必要があります。そのため、乳房切除時に大胸筋の裏側に一時的に組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)を入れます。手術の後、外から生理食塩水を段階的に注入して、ティッシュ・エキスパンダーを膨らますことで皮膚を伸ばしていきます。
人工乳房の挿入
ティッシュ・エキスパンダーの手術から6か月以上間隔を空けて行います。シリコンインプラントは、大胸筋裏側のティッシュ・エキスパンダーと入れ替える形で挿入し、乳房の形を整えます。
当院の対応
当院では乳房切除に引き続いてティッシュ・エキスパンダーを入れる手術を行っています。シリコンインプラントに入れ替える手術は提携するYanaga CLinic(矢永クリニック)にて行います。
月に1回、Yanaga CLinicより矢永 博子医師が来院されます。乳房再建術についてのご質問などお気軽にご相談ください(要予約)。